事実、飲食店の廃業率は1年以内に35%と言われ、10年生き残れる飲食店は10%にも満たないと言われています。私たちは、これまで20年の税理士経験の中で、多くの飲食店を見てきました。
そんな経験から、どんな飲食店が3年持たずに廃業してしまうのか。その特徴からご紹介します。
3年もたない飲食店の特徴
あなたは次の8項目のうち、いくつ当てはまりますか?
失敗する飲食店の特徴1
オーナーが自分の料理の腕に自信を持っていて、他人からのアドバイスに耳を傾けない
→いい食材を使えばいい、こだわって作れば喜んでもらえる、美味しいものを作れば繁盛する、という発想に偏っているのは危険です。もちろん、いい料理を提供するというのは大切ですが、その料理の味やこだわりに気付くお客様はごくわずか。残念ながら多くのお客様はそこまで舌に肥えたお客様ではありません。
失敗する飲食店の特徴2
材料費と人件費が売上高に対し65%を超えている
こだわりが強いオーナーほど原材料費の割合上がり、利益が出にくくなってしまっています。そのため、お店を存続させるのが精いっぱいになっており、店舗の改修やメニューの改善をするための余力もなくなってしまい、問題が起こっても対策できません。そのため、材料費と人件費は売上高に対して65%以内に抑える計数管理が重要です。
失敗する飲食店の特徴3
昔ながらの「料理が良ければいいから接客サービスは重要ではない」という発想でオーナーも店員も不愛想
→お客様は美味ししいだけでリピートするわけではありません。外観や内装、料理の見た目だけでなく、サービス面も重要です。それらが価格と見合っていて、お客様がまた来店しようと思えるだけの納得性を伝えられなければ、お客様は安定的に増えていきません。商品・サービス・雰囲気の総和である「顧客満足度」を高める努力をしましょう。
失敗する飲食店の特徴4
忙しさを理由に、今月・翌月に何をするかしか考えられていない
→オープン後、落ち着いてから次の手を打とうとおもいつつ、目先の忙しさや、目先の売上ばかりに追われてしまい、次の一手をうつ余裕が作れていない状況を抜け出せていません。そのため、1年先・3年先の長い目で見れていないのが問題です。
失敗する飲食店の特徴5
どういうお店が繁盛するのか、どういうお店がつぶれていくのかをしっかりと分析していない
→競合店がいくらでどんな料理を出していているかなどを詳しく調べていない、競合店対策を打っていないと、商圏の中であなたのお店だけが取り残されてしまいます。また、飲食店の経営者仲間との情報交換をせず、1人で孤独に経営をしていると業界のトレンドやお客様のニーズの変化に対応できません。
失敗する飲食店の特徴6
スタッフ教育は、簡単にはしている程度で力は入れていない
→お客様がリピーター客になるための仕掛けづくりや、おもてなしの工夫ができていない。スタッフがぶっきらぼうな対応をしているけど、指導したら辞めてしまうと思って何も手を打てていない。というのが意外と多いというのが現状です。結果的にそれがお客様離れにつながっています。
失敗する飲食店の特徴7
税理士から出てくる月次の資料は、もらっても中を見ていない
→見てもわからないからと放置して、経営の改善に活かしていない。数字の管理を全て感覚だけでやって毎月の経営のかじ取りをしていると、結果的に取り返しのつかない状況になってしまい廃業に追い込まれてしまいます。
失敗する飲食店の特徴8
とりあえず月末の支払いができればOK!と思っている
→今月の売上予測や利益予測など、具体的なものがない。そのため、急な支払いに対応できずお客様もきているのに黒字倒産するしかなくなってしまう。
いかがでしょう。いくつ当てはまったでしょうか。もしも2つ以上該当するものがあったら要注意です。一度、料理や店舗運営ではなく、経営の見直しを考えてみるとよいでしょう。
10年続く飲食店の秘訣
これはあくまでも一例です。飲食店がいま立たされている現状を正しく分析しなければ、いますぐ行うべき対策はわかりません。そのため、手あたり次第に対策に着手することは危険ですので絶対にやめてください。
10年続く飲食店づくりにおいて大切なのは、
- あなたのお店はいまどんな状況かを正しく把握し
- 現状を打破するためにやるべき改善策を明らかにし
- 今すぐやれる対策から着手する
この3ステップを守ることです
1店舗1店舗、お店によって料理が違うのと同じように飲食店経営にはオーナーの特徴や癖がでます。その癖を確認していくことからスタートする。この発想を大切にしていくことが一番重要な秘訣です。